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元中子遺跡出土品
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更新日:2025年4月1日更新
元中子遺跡は、信濃川右岸の河岸段丘上に立地しています。小千谷から津南町にいたる信濃川沿いの地域は、日本列島で土器作りが開始された頃(縄文時代草創期)の遺跡が密集することで、考古学の歴史では大変有名です。
信濃川右岸の東小千谷地区で行われた堤防工事に伴い、平成20年度に小千谷市教育委員会が発掘調査を行ったところ、縄文時代中期の生活が行われていた地層の下、より古い時代の地層(黄褐色シルト層)から縄文時代草創期の生活跡が発見されました。発見された遺物には、草創期に特徴的な縄文を押圧した土器と、草創期特有の石器があります。
縄文時代草創期の遺跡で土器と石器の組み合わせがよく分かる例は県内では珍しく、当時の人々が移動生活から定住生活にうつる過渡期と位置づけられる縄文時代草創期の生活のあり方を表しています。
土器は破片数にして約250点出土しましたが、製作技術等の復元が明らかで、図化・展示活用等が可能なもの36点を選定しました。土器に付着した炭化物について年代測定をしたところ、約13,000年前のものと分析されました。
文化財指定日 2024年1月29日
縄文時代草創期の土器片
土器片の出土状況
元中子遺跡遠景、写真の左側は信濃川、画面奥側が下流